輪廻を駆ける(1:慌ただしい勝輝の朝)

スポンサーリンク

※当サイトはアフィリエイト広告を利用しています

1:慌ただしい勝輝の朝

いつものベッドで目が覚める。

勝輝は目覚ましを使わない。眠くなったら寝るし、朝は勝手に目が覚める。

いつも何らかの作業に夢中で忙しい。

この日も、勝輝は早くバイクを組み立てなくてはと、起きたばかりなのに慌ただしく身支度をする。

友人の悠真と一緒にツーリングをするためのバイクを組み上げようとしている。

古物市やジャンクショップを足繁く通ってバイクの部品を集めるのが勝輝の日課だ。

つい2週間ほど前も悠真と2人で近所の河川敷で開催された車やバイク好きが集まるフリーマーケットへ行っている。

「悠真、フロントフォークがあったら教えて」

フロントフォークなんて簡単に見つかるものじゃないのをわかっていても、期待してしまう。

「この前だってジャンク屋でヘッドライトのブラケットが手に入ったじゃん」

数あるバイクの中から、なぜか勝輝が組み上げているバイクに必要なパーツが見つかってしまうのだ。悠真曰く、勝輝にはバイクの神様が憑いているんだそうだ。

2人で歩いてまわっていると悠真がとあるテントの前で足を止めた。

勝輝もつられてふと足を止めると、足元に転がる一対のフロントフォークを見つけた。

「おっ!あったよ、悠真!!マジで奇跡、本当にあると思わなかった!」

売り子の兄ちゃんに聞けば部品取りで解体したバイクからそれぞれをオークションに出品していて、勝輝の欲しがったフロントフォークは最後まで買い手がつかず、いよいよフリーマーケット行きになったということだった。

奇跡のような出会いに勝輝は感動した。

「ありがたいことだ!これであとはブレーキパーツを組み付けたら完成だ」

喜ぶ勝輝を横目に、悠真からは「頼むからブレーキパーツだけは新品を買え」と何度も促されていた。勝輝は悠真の言うことはいつもしっかりと聞いている。

ブレーキパーツだけは新品を買うと約束した。

勝輝は1台のバイクを組み上げるために、すでに3台を解体していた。

必要なパーツを本命の車体に移植し、余った部品はオークションやリサイクルショップへ。そこで得た金で、また次のパーツを買う。

商売人のように、うまい循環ができていた。

河川敷のフリーマーケットに行く前にはエンジンのオーバーホールを終えて、ガソリンを供給、エンジンの始動までを確認済みである。

すでにバイクの形はできていたが、前タイヤを支えるサスペンションのフロントフォークは、部品取りの古い車体から移植。残念なことにオイルが漏れていた。

ブレーキのパーツは、悠真に何度も注意されていたので新品を買う約束をしており、まだ取り付けていない。残すところフロントフォークとブレーキだけなのだ。

そこにきてフロントフォークが手に入ったため、残すはブレーキだけとなったのである。

フロントフォークを買った帰りには家から1番近くのパーツショップでブレーキパーツを発注。

いよいよ、自分が組み上げたバイクに乗れる日が目前まで来ているのだ。

いてもたってもいられず、朝起きたばかりだというのに慌ただしいのだ。

完結しています。全26章あります。

コメント残していただけるととても励みになります。

是非、楽しんでいってもらえたらと思います。

応援よろしくお願いします。

コメント

タイトルとURLをコピーしました