輪廻を駆ける(24:お迎え組)

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24:お迎え組

「ご先祖様、ココって…」「うむ、そうじゃ。勝男の病院じゃ」勝輝、ジー、仙人の3人は病院の中へと入っていった。勝男のベッドに迷わず向かっていく仙人のあとを勝輝とジーが続く。

「爺ちゃん…」勝輝はベッドに横たわっている祖父を見て、小さい頃に一緒に虫取りをした時の元気な勝男の姿を思い出していた。

「勝男はよう頑張った。そろそろコッチの世界とはお別れじゃ…」そう言うと仙人は勝男の上半身を丁寧に起こした。勝男は目を開けて仙人の顔を見つめた。

勝男は自分でベッドから起き上がると両方の手で仙人の手を握った。「ありがとうございます」仙人はお礼を言う勝男を見つめて深く頷いた。

「勝男はえらいよ、こんなジジイになるまで頑張ったんだな。俺が死んだとき、勝男はまだ5歳だったんだ…。何度か様子を見にきたこともあったけど、勝男は俺と違っていつも真面目で努力家だったよ」ジーは勝輝に言った。勝輝はうんと頷くだけだった。

「爺ちゃん、俺のこと見えてる?」勝輝が問いかけると勝男は勝輝の目を見て答えた。「ああ、見えてるよ、勝輝。元気にしてたか?」「うん、元気だよ」勝男の姿はかつて勝輝と一緒に虫取りをした頃の姿になっていた。

2人は抱き合った。「爺ちゃん、死んじゃったんだね。これからあの世に行くんだって、みんなで迎えに来たんだよ」「あぁ、わかってるよ、ありがとうな」抱き合ったままそう答える勝男のベッドには年老いた爺さんの姿の勝男が息をせずに寝ていた。

「勝男、勝治じゃ。勝治が迎えに来てくれたんじゃ」仙人は勝男に勝治を紹介した。ジーの目を見つめた勝男はどんどんと若返っていった。どんどん若返り、青年になり、少年になり、そして5歳の子供の姿になった。

「うわぁぁぁぁーーーん!お父ちゃーーーん!!」小さな子供の姿の勝男は大泣きしながらジーに抱きついた。ジーは両手で勝男を抱き上げた。「ごめんごめん。ホントにごめんなー!俺ウッカリ死んじまったからお前と遊んであげられなくなっちゃったもんなー、ホントにごめんなぁー…」ジーは勝男を抱っこすると勝男は泣いたままジーの首元に顔を埋めた。

「よしよし、泣くな泣くな、お父ちゃんが迎えに来てやったんだから、泣くなよ」ジーは勝男の頭をわしゃわしゃと撫でた。「うわーん、わーん、わーん!」勝男はずっとジーにしがみついたまま、大泣きを続けた。

ベッドに横たわる爺さんの姿の勝男を残して4人は部屋を出た。

「病院というのは複雑な場所じゃ。わしらのようなお迎え組は後を濁さず立ち去るとするかのぅ」病室の時計は静かに時間を刻み続けていた。 仙人は病院を出るよう促した。

5歳の勝男はジーの腕の中で泣き疲れて寝てしまった。

完結しています。全26章あります。

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