18:ジーの朝食
「あー、よく寝たわぁ。やっぱり外で寝るのが気持ちいいんだよなぁ〜」ジーは大きく深呼吸して朝の空気をめいっぱい吸い込んだ。勝輝のほうを見るとまだぐっすりと眠っていた。
ジーは焚き火の残火に薪を追加し、炊事場に置き去りにされていたフライパンを持ってきて油を引いてから火にかけた。「ニワトリちゃんに感謝して、っと」ジーはキャンプ場の隣にある養鶏場からもらってきた卵をパカりと割ると目玉焼きを作り始めた。
醤油を垂らした良い香りが漂うと勝輝が目を覚ました。「ジーちゃん早いね。もう起きたの?」「あたりまえだよ、カツキも早く起きろ」ふふッと笑いながらソーセージも追加して焼いている。勝輝は一見料理なんてしそうもないジーを見ながら、テキパキと朝食を作る生活スキルの高さに感心していた。
「これ食ったら出かけっぞ!」ジーはそう言ってパン、目玉焼き、ソーセージの乗った朝食のお皿を勝輝に差し出した。「ありがと。いただきます。今日はどこにいくの?」寝起きでも食欲は旺盛だった。勝輝はパンを手に取り齧りながら聞いた。
「今日は神社にお参りでも行こうと思う。」「ふーん、ジーちゃんってよくお参りに行くの?」「まぁな」
支度も早々に言われるがままバイクに乗って出発することになった。このくらい振り回されていたほうが気持ち的にも楽だった。これからどうなるんだろう?そんな不安な気持ちが湧き上がるのだが、ジーが一緒にいると不思議と塞ぎ込まずにすんでいる。
明るくて気さくで頼もしい、勝輝はそんな安心感を感じながらジーの背中を追っていた。
完結しています。全26章あります。
- 輪廻を駆ける(1:慌ただしい勝輝の朝)
- 輪廻を駆ける(2:勝輝の父と母)
- 輪廻を駆ける(3:パーツショップ)
- 輪廻を駆ける(4:悠真がいたコンビニ)
- 輪廻を駆ける(5:通夜)
- 輪廻を駆ける(6:完成したバイク)
- 輪廻を駆ける(7:二度目の原付)
- 輪廻を駆ける(8:衝突)
- 輪廻を駆ける(9:確信)
- 輪廻を駆ける(10:幽霊という存在)
- 輪廻を駆ける(11:風を切る2台のバイク)
- 輪廻を駆ける(12:海ホタルのカレー)
- 輪廻を駆ける(13:続行)
- 輪廻を駆ける(14:ゴールデンレトリバー)
- 輪廻を駆ける(15:アウトドア好き)
- 輪廻を駆ける(16:あの世への送り方)
- 輪廻を駆ける(17:祖父勝男)
- 輪廻を駆ける(18:ジーの朝食)
- 輪廻を駆ける(19:友達)
- 輪廻を駆ける(20:悠真の家族)
- 輪廻を駆ける(21:鹿公園)
- 輪廻を駆ける(22:仙人)
- 輪廻を駆ける(23:喫茶店)
- 輪廻を駆ける(24:お迎え組)
- 輪廻を駆ける(25:勝輝の選択)
- 輪廻を駆ける(26:エピローグ)
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