輪廻を駆ける(3:パーツショップ)

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3:パーツショップ

ショップに着くなりお目当てのブレーキ用のパーツが見たくてソワソワしていたが、店員が見当たらない。

いつもなら勝輝を見かけると必ず声をかけて「届いたら連絡するから毎日来なくても平気だよ」と笑って応えてくれる店員だ。

今日は非番なのだろう。取り寄せ品を置く棚に何も置いていないのを見た勝輝は「まだ届かないのか」とため息をついて店を出た。

いつもなら賑やかなパーツショップだが、ショップに併設されている整備ガレージのほうも今日は静かだった。

原付に跨り帰ろうとすると、整備ガレージのすぐ横でレトロバイクをブンブンふかす男がいる。

白髪の短髪で細マッチョ、古びた服装に無精髭の男性が、ノリノリでバイクをふかしているのだ。

「おじさん、ご機嫌だな」

白髪短髪の男はチラッと勝輝を見たが無視してバイクを鳴らす。

「ちょ、おじさん!爆音すぎだろ、それー。マジで近所迷惑だから控えたほうがいいと思うよ」

「俺のバイクよりお前の方がうるせーよ、はははっ!それに周りを見てみろって、誰も気にしちゃいねーよ」

そう言って笑うと、男はまたバイクを鳴らす。

「おじさんはここで何やってるの?ブンブン鳴らしてないで出かけたらどうなんだい?」

「俺はコイツのオイル交換を終えたところさ。次は新しいタイヤを付け替えるのさ」

「レトロなバイクでかっこいいね。タイヤ交換してどこか遠出でもするの?」

「ま、そんなところだな」

勝輝は煩くて迷惑なおじさんだと思ったが、バイクを整備してご機嫌な男を見て自分と同じバイク好きなんだろうなと妙に納得して憎めなかった。

夜の便でブレーキパーツが届くかもしれないので、また出直そうと思い、原付に跨りパーツショップをあとにした。

完結しています。全26章あります。

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