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小説

夏の海風と記憶釣り(11:兄と妹)

鳥の声で目覚めると海斗は自分の部屋の窓を開けた。昨晩は湊の部屋で夜遅くまでブレスレットを調べていたが、その後自分の部屋に帰ってくるなり寝てしまった。
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夏の海風と記憶釣り(10:湊の記憶)

海斗と湊は漁港をあとにして、湊の家まで帰って来ていた。夜遅い時間だ、湊の部屋へ音を立てずにそっとあがると、ペットボトルのスポーツドリンクを飲んで一息ついた。
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夏の海風と記憶釣り(9:ブレスレット)

昼間の賑やかさが嘘のように夜の漁港は静かだった。優しい潮風が心地よく、波もなく、星が空いっぱいに広がっていた。海斗はもちろんいつもの釣り座に座っていた。父の釣竿のフェニックスに航のブラクリをつけて海に沈めていた。
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夏の海風と記憶釣り(8:拓真)

海斗は野球のユニフォームに着替えていた。昨晩突然拓真が家に訪れると「海斗、明日試合だから頼むな!」と言ってユニフォームを届けに来た。
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夏の海風と記憶釣り(7:夏休みの宿題)

蒸し暑い猛暑の昼下がり、結衣はエアコンの効いた瑠璃の部屋にいた。「私たちの夏休みの宿題ってほとんど問題集ばかりなんだから、早めに終わらせちゃったほうがいいわよ」
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夏の海風と記憶釣り(6:瑠璃の夢)

「はははっ!気にしすぎだろ?だってあいつらは幼馴染なんだから、それくらい普通なんじゃねーの?まぁ、そんなもんじゃねーの?」航は釣竿を海に振り抜くとルアーを泳がせた。
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夏の海風と記憶釣り(5:湊と瑠璃)

海斗はほとんど眠れないまま夏休みの一日目の朝を迎えてしまった。昨晩瑠璃を家まで送って行ったが、あんなに泣いてる瑠璃を見たことがなかった。
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夏の海風と記憶釣り(4:瑠璃の記憶)

暗い夏の海は、昼間の暑さが嘘のように涼しくて、海風が気持ちいい。海斗はいつもの釣り座に来ていた。海斗は決まって堤防の左先端の部分で釣りをする。堤防を端まで歩くのは意外と面倒だ。
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夏の海風と記憶釣り(3:父の釣竿)

海斗は父の顔を知らない。母が彼を身ごもってすぐ、父は海へ出たまま、帰らなかった。けれどこの街の海風には、いつも父の匂いが混じっている気がした。
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夏の海風と記憶釣り(2:航)

自宅前まで帰ってくると、隣に住んでいる一つ歳上の航の姿が見えた。「航くん、今帰り?」「おう、今日も大漁だ。疲れたよ」夕暮れの光が、航の腕の筋肉に反射した。
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