輪廻を駆ける(19:友達)

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19:友達

埼玉県小鹿野町にある小鹿神社(おしかじんじゃ)は、平安時代創建と伝わる由緒ある神社だ。理由はよくわからないが近年では「バイク神社」として注目されている。

ジーは何度もこの場所にお参りに来ている。「バイクで旅をするならココで交通安全を祈願しとかねーとな!」境内にあるバイクの形を模した「OGANO」ロゴののぼりは小鹿野町のシンボルである。転倒防止お守りなどが用意されており、バイク愛好家に人気の様子がよくわかる。

しばらく進むとお賽銭箱があり、勝輝は小銭を準備しようとした。

ジーも同じく財布から小銭を出そうとした。そのときジーの手を滑り落ちて何枚かの小銭が賽銭箱を目前に地面に散らばった。勝輝はジーの落とした賽銭用の小銭を拾った。

「あれ?ジーちゃん何これ?古いお金?見たことないのばっかりなんだけど」そう言って拾った小銭をジーに渡した。「古い?別に古くないと思うけどな」ジーは不思議そうに手のひらの小銭を見つめた。

「いやいや、俺のはほら、100円とか50円とか。お賽銭するならご縁があるように5円玉を入れるとか言うじゃない?」勝輝はジーに手のひらの小銭を見せた。「なんだ、それ、そんなこと聞いたことないわ。わははっ!カツキのお金、全然違うじゃん!外国かよっ!」

ジーは気にも止めずに自分の手のひらの小銭をバラバラっと無造作に賽銭箱に投げ込んだ。

パン!パン!ジーは二拍手一礼を済ませた。勝輝もそれに続いて5円玉を投げ込んでから二拍手一礼をしてからジーの後に続いた。古い小銭ばかりだったジーのことが気になって聞いてみた。

「ねー、ジーちゃんって何年生まれ?」「ん?明治43年だけど?なんで?」「え!え!?えぇぇ〜、明治??平成じゃなくて昭和じゃなくて大正でもなくて、明治!?」ヤバー、凄い昔の人じゃん、そんなことある?

勝輝は驚いたが、妙にレトロな雰囲気だったのが腑に落ちた。

「なんだよ、別にそんなおかしなことじゃないだろ。明治43年生まれだ。30歳で死んだときは大正を通り越して昭和だったぞ、すげぇだろ!わははっ!」明治43年って1900何年だ?勝輝はスマホで和暦を調べると明治43年は1910年だった。今は2025年なのでジーは115年も前の生まれということになる。

「ジーちゃんって昔の人だったんだな。計算すると115年も前に生まれた人だよ」「ふーん、じゃカツキは何年に生まれたのよ?」「俺は2005年だよ」「えー、そうなの?だって俺が30歳で勝輝が20歳だから10個しか歳違わないじゃーん」何をデタラメ言ってるんだと言わんばかりに言った後、ジーは顎に手を当て上目使いに計算を始めた。

「うーん、じゃあ、なんだぁ…カツキって、俺が死んでから65年後に生まれてきたってことになるか?うははー!それじゃ死んでなくても、死んでるって!ギャハハハハハ!!」ジーは腹を抱えて笑い出した。

大笑いするジーを見ながら、答え合わせをするように勝輝も計算をした。

「ジーちゃん計算早いね。えっと、どゆこと?2005年引く1910年だから…えっと95!95歳だよ!ジーちゃんが生きてたら95歳のときに俺が生まれてくるんだ!あー、ワンチャンいけてたかも!はははっ!」

「いやー、無理無理。みんな70くらいでおっ死んでたって!」

ゲラゲラと腹を抱えて笑うジーを見て勝輝もおもわず笑ってしまった。勝輝とジーは生きていたら出会えなかった存在だ。たとえ出会えたとしても友達になることなんてできない歳の差だ。

生まれた時代が全然違う友達ができたと思うと、なんだか特別な気分になった。それは二人とも同じ気持ちだった。

完結しています。全26章あります。

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