7:二度目の原付
組み上げたバイクを悠真にすぐに見せびらかしたかった。
しかしそのとき勝輝のスマホが鳴り響いた。
電話の主はパーツショップの店員だった。
「勝輝くん、ごめん。さっきのブレーキパーツを渡した時に店の伝票一緒に入っちゃってない?」
買ってきたときにもらった箱の中を見ると茶色い封筒が一つ入っていた。
「茶色の封筒が入ってるよ」
「あー、それそれ、たぶんそれだー」
「〝納品書・請求書在中〟って書いてあるけど」
「それそれ、それウチの店で必要な書類だから次来るときに持ってきてくれない?」
次と言われてもバイクが組み上がったばかりなので次はいつ行くかもわからない。
なんなら今日は相棒と試運転を兼ねて出かけたい。
「今から持っていくよ」
そう店員に告げるとフルフェイスのヘルメットを被り原付に跨った。
用事を済ませたら組み上げたバイクをピカピカに磨きあげて出かけよう。
とっておきのバイクに留守番を任せ、雑用程度は原付で済ませようと考え、パーツショップへと向かった。
その日、勝輝は2度原付に乗った。
完結しています。全26章あります。
- 輪廻を駆ける(1:慌ただしい勝輝の朝)
- 輪廻を駆ける(2:勝輝の父と母)
- 輪廻を駆ける(3:パーツショップ)
- 輪廻を駆ける(4:悠真がいたコンビニ)
- 輪廻を駆ける(5:通夜)
- 輪廻を駆ける(6:完成したバイク)
- 輪廻を駆ける(7:二度目の原付)
- 輪廻を駆ける(8:衝突)
- 輪廻を駆ける(9:確信)
- 輪廻を駆ける(10:幽霊という存在)
- 輪廻を駆ける(11:風を切る2台のバイク)
- 輪廻を駆ける(12:海ホタルのカレー)
- 輪廻を駆ける(13:続行)
- 輪廻を駆ける(14:ゴールデンレトリバー)
- 輪廻を駆ける(15:アウトドア好き)
- 輪廻を駆ける(16:あの世への送り方)
- 輪廻を駆ける(17:祖父勝男)
- 輪廻を駆ける(18:ジーの朝食)
- 輪廻を駆ける(19:友達)
- 輪廻を駆ける(20:悠真の家族)
- 輪廻を駆ける(21:鹿公園)
- 輪廻を駆ける(22:仙人)
- 輪廻を駆ける(23:喫茶店)
- 輪廻を駆ける(24:お迎え組)
- 輪廻を駆ける(25:勝輝の選択)
- 輪廻を駆ける(26:エピローグ)
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