輪廻を駆ける(11:風を切る2台のバイク)

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11:風を切る2台のバイク

「ジーちゃん、俺、このバイクが組み上がったら本当は友達と一緒にツーリングに行きたかったんだ」「ほーん、そんでカツキが行きたかった場所ってどこなのよ?」ジーは優しい口調で勝輝の行きたい場所を聞いた。

「海が見たかった。千葉県に渡るときにアクアラインってあるの知ってる?」「ああ、知ってるよ。あのでっかい橋のことだろ?」「そうそう、そこ!」「じゃ、行ってみようぜ」ジーはバイクに跨るとエンジンをかけた。お前もエンジンをかけろよと言わんばかりにバイクに顎を向けた。

「まだ慣らし運転なんだから慎重に行かせてよ。不具合が出て転んだりしたら大変だ」勝輝は組み上げたバイクに自信があったが寄せ集めのパーツがいつ不具合を出すかわからず不安を感じていた。「大丈夫だよ。何とかなるさ」ジーは勝輝を諭すとアクアラインを目指してバイクを走らせた。

勝輝も何も迷うことなくそれに続いた。ジーの後ろを走行しながら勝輝は色々な考えに思いを巡らせた。

死んでしまった自分。同じ境遇のジー。

これから2人はどうなるのか。なんで見ず知らずの男と急にツーリングをしているのか。ただ、この人は悪い人じゃないという安心感があった。

2人のバイクは大きな音を立てながら風を切って進んでいった。

完結しています。全26章あります。

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