6:救命救急
ゲート広場の人だかりは、救急隊員の慌ただしい様子で騒然となっていた。スタジアムに向かう男性が突然倒れたためだ。
「石橋さん!意識なし、反応ありません。呼吸、浅い。毎分20くらいです。脈、触れにくいです」
「はい、了解。本間さん、酸素いきますね、15リットル、マックスで」
「心電図どうします?すぐ装着しますか?」
「あぁ、頼む。気道、今は保ててるな」
「…あの…」
「はいはい、大丈夫ですよ、落ち着いて」
「俺、ほんとに…知らない人で…」
「大丈夫です。通報してくれただけで十分です。状況もちゃんと説明できてますし、助かります」
「石橋さん、いいですか?血圧、82の48」
「低いな。ショック入ってるぞ。本間、点滴、急いで」
「ST上昇あります。急性心筋梗塞」
「了解。大学病院に当たる。ヤバいな、カテ対応、要請しよう」
「急に倒れて、危な!って思ったんですよ。声かけても返事ないし、顔を見たらヤバいと思いました」
「君の知り合いの方ですか?」
「いえ、でもすぐに救急車を呼んだ方がいいって…。みんなで相談してすぐに救急車を呼びました」
「倒れる前、何か言ってましたか?」
「いえ、何も…」
「胸押さえるとか、息苦しそうとかも?」
「全然、なかったです。ガチに急で…」
「発見から119番までは?」
「3分…多分それくらいです」
「誰かに相談せず、すぐかけました?」
「はい、すぐかけました。一緒にいた連れが〝絶対ヤバい〟って言って、すぐ電話したんです」
「素晴らしいですよ。早い判断です」
「そうだったらいいんですけど…」
「その数分で結果が変わることもあります」
「石橋さん、ルート、取れました」
「ありがとう。血管、細いな…」
「動かないですね…」
「今は意識が戻っていません、今、私と本間くんと、二人で全部管理してます」
「石橋さん、ポケットの中の財布に免許証ありますよ」
「おお、よかった。本間、悪いんだけど、ご家族に連絡急いで」
「ごめんね、君には引き続き同伴お願いします」
「血圧、さらに低下です」
「マジか…。昇圧、準備。本間、とりあえずモニターから目を離さないでくれ」
「俺、どうなりますか? 途中で降りられますか?」
「ごめんねー、途中は…、無理だな…。病院まで一緒に来てくれる?もうすぐだからお願いします。着いたら指示しますね」
「ガチで、今ビビってます」
「そういうこと、ありますよね。今日は、君がいて助かりました」
著者コメント
2026年4月連載開始、全12章あります。次回更新楽しみにお待ちください。
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