9:試合の結果
わっと湧き上がった歓声。悲鳴まじりの、絶望の歓声。谷本のシュートがまさか外れるなんて。ここまでお互い得点なし、ロスタイム最後のシュートだと思っていた。だが、笛が鳴らない。
続行。まだ試合続行。
「おいっ!油断するなっ!」
気がつけば俺は叫んでいた。谷本のシュートがクロスバーに拒絶されたとき、誰もがこのゲームは終了したと思った。
流れたボールは相手チームへと渡り、縦へのロングパス。そこには誰もいなかった。駆けつけたのは赤いユニフォームの選手だった。
おいおいおい、冗談じゃない。どういうことだ。ディフェンスが戻りきれていない。まずい。
相手チームはロスタイムの最後の時間、がむしゃらにゴールを目指した。放たれたシュート…。
キーパーがギリギリ反応した。だが、パンチング…。
大きく弾かれたボールに、誰もが目を疑った一瞬だった。入り込んできたのは、クソ山田だった。
「山田!まさか!やめろ!」
「誰か止めろ!」
「バカ!やめろ!やめろーーー!」
クソ山田の放ったボレーシュートは、ゴールの脇ぎりぎりを転がるように這い、横浜のゴールネットを揺らした。
「ゴールゴールゴーーール!山田選手、ゴーーーール!」
スタジアムの大きなディスプレイに、山田のシュートのリプレイが流れる。
横浜のサポーターは、全員魂を抜かれたように固まっていた。
誰も、何も声を発しない。
ピッ、ピッ。ピィーーーー!
試合終了を告げるホイッスルが、スタジアムの応援席を串刺しにした。
著者コメント
2026年4月連載開始、全12章あります。次回更新楽しみにお待ちください。
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