心の健康問題には、さまざまな誤解や偏見が存在しています。
近年増加している心の健康問題であるメンタルヘルス対策を進めるためには、誤解や偏見をなくしていかなければなりません。
この記事では誤解しやすいことと、正しい態度について記載します。
最後まで読んでいただき、メンタルヘルス対策の正しい知識を身に付けて下さい。
誤解1!メンタル不調は心の弱い人の問題
メンタル不調は心の弱い人の問題と考えるのは間違いです。
メンタルヘルス不調はストレスとの因果関係が強いのです。
軽度のストレスでも起こりますし、もちろん強いストレス状況が続けば不調をきたしやすくなります。
個人の問題ではないのです。
会社で起こるメンタルヘルス不調であれば、職場というシステムの問題と考えていきます。
誤解1→正しい考え方
心の弱い人、気力の足りない人、そのような特定の人が「うつ病」になると考えるのは誤解です。
正しい考え方は
- 誰でもメンタルヘルス不調になる可能性がある
- メンタルヘルス不調の多くは「うつ病」である
- 個人へのアプローチだけでは対策が足りない場合がある
- 職場の環境が「うつ病」の原因である可能性がある
ということです。
メンタルヘルス不調の人の中には職場の環境が悪いことに気が付かず、いつの間にか「うつ病」になってしまったという人もいるのです。
あなたが「うつ病」になるかもしれないし、いつもバリバリ仕事をする上司が「うつ病」になるかもしれないのです。
その可能性は皆等しく、誰がいつなってもおかしくないのです。
「俺は絶対メンタルなんて壊さないさっ」といつも元気で強気な上司だって、ストレスが蓄積してしまうと「うつ病」になってしまうのです。
誤解2!メンタルヘルス対策は経営上、利点がない
メンタルヘルス対策をしたって、お金ばかりが必要になるだけで、経営上の利点が何もない!と考えるのは誤解です。
経営者やHR(ヒューマンリソース)担当の人に正しく理解して欲しい内容ですね。
メンタルヘルス不調者、自殺者は一定の要件を満たすと「労災認定」されます。
メンタルヘルス不調者のストレスの原因が業務と関連があるとなれば、事業者の管理責任が問われることだってあるのです。
むしろ、管理責任を問われる傾向が強まっています。
誤解2→正しい考え方
メンタルヘルス対策をしても経営上損するばかり、経営とは関係ないと考えるのは誤解です。
正しい考えかたは
- 過労自殺によって、周囲の従業員の生産性はガクンと下がる
- 過労死は職場全体の生産性をガクンと下げる
- 過労自殺や過労死によって、損害賠償が生じる
- メンタルヘルス不調者は職場での事故やミスが増える
- 事故やミスは隠ぺいへと発展し、モラル低下へと繋がる
- 休職や離職はダイレクトに労働力の損失となる
ということです。
対策を放っておけば放っておくほどリスクは高まっていくと考えたほうがよいでしょう。
「ウチに限って大丈夫だよ」と能天気なことを言っている社長さんがいたら危ないですよ。
メンタルヘルス不調は誰にでもおこりうることです。
普段からストレスチェックなどの対策を講じることによって、少しでも未然に防ぐ努力がとても重要になってきます。
心の病の発生頻度
2019年に公益財団法人日本生産性本部が実施した調査では、過去3年間で企業内の「心の病」が増加傾向であると答えた企業が32%です。
過去3年の間に増加傾向だと感じる企業が32%もあるということは、もしかしたらあなたの職場でも「最近、心の病で休む人多いよなぁ~…」と感じることがあるかもしれません。
心の病は10代、20代、30代、40代のように世代別に分けた時、その割合はほぼ横ばいです。
どの年代の人でも心の病になるリスクは同じということです。
長期病欠した人の原因で多いのは、やはり「うつ病」です。
さいごに
改めて考えてみると私が「うつ病」になったのは、決して偶然ではなかったんだろうなぁと思います。
何がどのような形でストレスとなっていたか、詳細に特定することはできませんでしたが、それでもストレスチェックの実施によって自分の体調の変化を知る事ができたのです。
私がさいごに声を大にしてお伝えすることは「メンタルヘルス不調は治る」「うつ病は治る」ということです。
今現在もうつ病で会社を休職されている方、ストレスが溜まっていて色々調べていく中でこの記事に辿りついてしまった方、さまざまなお悩みを抱えていることだと思います。
メンタルヘルス不調を正しく理解していない方の中には「一度うつ病になってしまったら治らない」と考えてしまう人もいます。
「心が折れてしまった」と表現する人もいるかもしれません。
でも、正しくは心の問題ではないのです。
ストレスとなっている原因を除去し、リラックスや心の休息を与えて、しっかり休養をとれば必ず治ります。
大丈夫です、私も治りましたから言えます。
必ず治るので心配せずしっかりと休養をとりましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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