私は大学を卒業後、ひとつの会社で20年間勤めてきました。
そして、20年間務めた会社を辞めました。
私が会社を辞めたのは「うつ病」になったことが大きなキッカケだと思います。
「うつ病」になった時の記事もたくさんありますので、是非読んでみて下さい。
さてさて、今回はなぜ会社を辞めてしまったのか、どうして辞める必要があったのか、そのあたりを振り返ってみようと思います。
辞める時の説明
私はこのブログでも会社員人生でも多くの悩めるビジネスパーソンをサポートしてきました。
会社を辞める人に寄り添って、相談にのってきた経験があります。
今回は私自身が会社を辞める番です。
過去の経験から「円満退社」をしないと後悔するということが頭にあったので、前向きな気持ちで会社を辞めることを主張してきました。
辞める時の説明は
転職をすることにしました。次の会社から内定をいただき入社承諾書を提出したので、私は退職させていただきます
と、こう説明したのです。
次に行くところを決めたから辞めます。辞める時の説明はコレだけです。
誰に何を聞かれようとも、誰に何かを探られようとも、決してネガティブなことは話しませんでした。
ネガティブなことを発言して関係を悪くしてしまった人、後戻りできないような喧嘩に発展してしまった人、最終的に大喧嘩になり文句を言いながら辞めた人、いろいろな人を知っています。
逆もしかり、ポジティブなことを発言してアッサリ辞めた人、辞めたあとも平気で元の会社を訪ねてきて談笑をする人、辞めたあともビジネスの繋がりでたびたび顔を合わす人、そんな人達も知っています。
だから単純に経験則から知っているんです。
ポジティブに辞めれば、自分にとってプラスになるハズ!って。
客観的になってしまった
うつ病になってしまい、休職までしてしまった。
休職中、私は色々なことにチャレンジしたし、色々な人と話をしました。
決して家に引きこもったりはしませんでした。
むしろたくさんの人と会いました。
私は以前から「この会社で私がいなくなってしまったら、仕事が回らなくなって大変なことになるぞ」と考えていました。
多くの業務と関わりがありましたし、私を指名して仕事を依頼してくるお客様もいたため、「どうしても私でなければダメなんだ」という気持ちが強かったのです。
今思えば
もっと適当にやりなさい!責任感が強すぎても良くないよ。
真面目にやっていたら、疲れて持たないことだってある
と、私を気遣ってくれた上司の言葉がわかります。
だから休職してしまった私は「私がいなくなったら部下達はきっと次々に倒れてしまう!!」と責任感に圧し潰されていました。
しかし、実際のところ、私がいなくてもなんとかなっていたのです。
私が休んでいる間、私の人生の師匠でもあり、オヤジのような兄貴のような存在の上司が必死にフォローしてくれていたのです。
私は休職して1か月もすると、部下達がなんとか頑張ってくれているという情報を、人づてにかき集めました。
誰ひとり倒れず何とか頑張ってくれている…
一安心すると、どうでしょう。
何も心配いらない。
私がいなくても大丈夫。
私がいなくても大丈夫ということを知って淋しい気持ちもありました。が、そんなことよりも圧し潰されそうな責任感から解放されて自由になったことが私を前向きな気持ちに変えていきました。
自由になると、自分で自分のことを客観的に見つめる時間が出てきます。
病気が治ったら、また元の会社で働くのかい?
客観的になると頭の中にもう一人の私が現れてきて次々と呟きます。
- 復職したってまた病気になるんじゃない?
- うつ病になった原因って何だったの?
- 復職しても再発して再休職する人もたくさんいるらしーよ、大丈夫なの?
客観的になったぶん解決しなければいけない疑問が山のように積みあがっていきました。
私の待遇とキャリア
私の待遇とキャリアはそれなりでした。
私は大学卒業後20年、ひとつの会社で勤め「課長」というポジションにいました。
私は歴代の課長の中でも一番年齢が若く、役員の方々とも親しく会話をすることができる環境にいました。
それは私がお酒を飲めるからに他なりません。
私の会社は役員や取締役の人達はお酒を飲む人達でした。私は度々開催されていた飲みの席に進んで顔を出す「変わり者の若者」だったのです。
そんな付き合い方をしているウチに、取締役しか知らないような(部長、室長、本部長は知らない)会社の方針を決める重要な情報なども小耳にはさむようになりました。
また、会社が隠しているスキャンダル的な話しや、中途採用の裏話しなども聞いていました。
私は会社の上層部の人達と仲が良かったため、これから先のキャリアについてもさほど問題になるような壁はなく、ゆくゆくは部長や本部長と世代交代していくのだろうと未来のレールを見据えていました。
どうして辞めたの?
現在課長でゆくゆくは部長、本部長の道筋が見えているなら、将来安泰ですよね。
それならどうして辞めたのですか?
ここが不思議な分岐点なんですよ。
私は冷静になって考えました。何日も何か月も悩みました。
出した結論は…
同じことの繰り返しをしたら、必ずまた病気になる。
ということでした。
確かに出世レースのバトルでは勝ち残りのメンバーに入っていたと思っています。
実際にそういう期待をかけて貰っていたことも知っています。
だから出世していけば、お給料だって、待遇だってそれなりにステップアップしていけるハズだったのです。
だけどどうしても引っかかるものが「うつ病」でした。
私は自分の自覚症状がなく睡眠障害を発症してしまったので、治るまで苦労しました。
自覚症状がなかったので、当時を振り返り、アレがいけなかったかも?コレがいけなかったのかも?とアレコレ考えたのですが、明確なストレスの原因を特定することはできませんでした。
復職後、同じチームに戻り、同じ業務を続け、同じストレスを抱え、あたかも「うつ病」は無かったことにして今までのレールを進み続ける…。
それって…、危険すぎるだろ…??
私の心の中で強烈にアラームが鳴りました。
私は復職後、残業をしないように配慮してもらいました。
業務的に非常に軽くなりましたし、日常生活も規則正しい生活を保つことができました。
私は環境を変えたかったので、部署の異動や役職の変更なども提案を投げかけましたが、得られる答えは「徐々に変えていきましょう」という結論でした。
結局、私は何一つ変えられないまま、今までと同じ業務を続行する復職の道を歩み始めました…。
ダメだ…。何も変えられない…。
上層部の人達はすぐに行動には起こしてくれず「様子見」をしましょうと言う。しかし、同じことを繰り返したら同じ結果が出るという事実をわかっていない…。
このままじゃ部長に出世する前に病気再発で再休職になってしまう…。
この問題をクリアするためには、もはや会社の人にはヘルプをお願いすることができませんでした。
自分の身は自分で守らないとダメなんだな。って思ったんです。
私はエンジニアだったので「同じことをしたら同じ結果になる」という再現性の問題といつも向き合ってきました。
大きな欠陥や重大なバグが発生した時は、問題を再現させて改善を試みるのです。
発生手順を確認して、発生した環境を用意して、再現するかテストをします。
問題が再現したら、手順を変えたり環境を変えたりして、問題が再発しないか再テストするんです。
こうして取り除いていく不具合、いつもなら簡単に対応していたでしょう。
でも、今回は違う!
今回は私の身体です!!
同じことをして、同じ結果になるなんてミスはしたくありません。
再現性を確認している場合ではない。
とりあえずやってみよう!や、様子を見よう!は、ご遠慮いただかなければなりません。
そして、出した結論が…
転職するしかないな…。
ということでした。
そんなに簡単に転職できるワケないでしょ
そんなに簡単に転職できるワケないでしょ!?と思った方もいるかもしれません。
ええ。その通りなんです。
転職って簡単じゃないんですよ。
ブログに記事として書いているから単純で簡単なように感じてしまうかもしれません。
「転職するしかないな…」って思って転職した。って書いたら一瞬で転職できたように感じてしまうじゃないですか。
だからあなたにはハッキリと伝えておきたいんです。
転職は単純な話しではないです。
20年勤めた会社を辞めて、出世コースをいったん捨てて、また新しい道を進もうというのですから、大変なことです。
家族や身内に相談したり、友人に相談したり、親戚に報告したり…。
やっぱり転職しないほうがいいかも?と悩んだり、でも転職以外ないかも?と悩んだり、とにかく色々考えて苦しみました。
私が転職に要した期間は5.5か月です。
私は以前からリクルートに登録していました。
そして、休職中にリクルートエージェントで非公開求人をたくさん閲覧するようになりました。
それが、私の転職活動の始めの一歩でした。
休職してから本格的に転職活動を始め、復職後も企業と面談を重ね、ようやく転職実現まで辿りつきました。
転職活動を始めたばかりのときは、本当に転職するなんて考えていなかったのです。
いい所がみつかれば転職もアリかなぁ~。という考えはありましたが、自分のキャリアと将来の出世コースの未来を考えると、あえて転職する理由なんてありません。
一番良いのは元の会社に復職して、出世して、ステップアップしていくことでした。
非公開求人の内容を見ても現職のお給料よりも良くなる求人なんてほとんどありませんでした。
転職を決意したのは復職したあとのことなんです。
私からのアドバイス
私からのアドバイスがあります。
それは転職する、転職しない、に関わらず情報を集めておく!ということ。
リクルートエージェント は非公開求人を10万件以上持っています。
私が転職先もエージェントさんが紹介してくれた非公開求人でした。
今の会社を辞めるなら、客観的に見比べるほうがいいんです。
色々な企業の求人情報と見比べて、今の会社はどのレベルなのか?働きやすい職場と言えるのか?そういう判断材料にすることができるんです。
あなたにとって最適な方法はあなたにしか導きだせません。
私が「自分の身は自分で守ろう」と思ったことと同じように…。
きっとたくさんの困難があり、到底超えられない壁もあり、挫折もあり、諦めもあり…。
会社員人生って波乱万丈なんですよ。
一般論でひとくくりにされて、だいたいみんな同じ。
だいたい同じ毎日の繰り返し。
あの人もこの人も一般人。
ざっくり言うと会社員はみんな同じ。
って、そんな簡単に片づけていいものではありません!
私からのアドバイスがあなたのためになることを願います!
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
コメント